攪乱とSalvage Logging の国際シンポ-発表編
5月末、ペンシルバニア州で行われた国際シンポに招待を受け、福島さん(首都大学東京)・鈴木さん(東大秩父演習林)と連名の発表をしてきました。ヨーロッパ、北米、を中心とした国々から招かれた20人の発表と、Powdermill Nature Reserveで行われている研究サイトのツアーがありました。参加者は60-70人といったところでした。
山火事や強風による森林の倒壊に引き続き行われる倒木の搬出(Salvege Logging)が、その後の森林再生に与える影響を議論する、コアなテーマだったためか、普通の学会とはちがい、居眠りする人なんて一人もいませんでした(笑)
一連の発表を聞き、私が得た、新たな知見は以下の4点です。
1) scarification(地かき) > salvage logging(SL)
地拵え(地かき)が植物種の多様性や再生に与える影響は、SLの影響よりも大きい。Alex Royoが投稿中。
2) UAVを用いた風倒地再生の評価:植生高のモニタリングはできるが、種組成までは分からない。倒木下の更新は把握できない。
3) SLが、引き続き発生する山火事と再生に与える影響: SLによってFire intensityは下がる。引き続き発生した山火事後の再生は、SLを受けていてもいなくても、よく似た木本植物の種組成となる。
4) 東アメリカで deciduous forest の種組成変化がおこっている:fire suppression, gap dynamics, deer browsingの3つの影響が考えられる。Fire intensity とGap sizeの増加は植物種の多様性を上げるが、Browsingの影響下では種の多様性を下げる。